ダフニスとクロエー (岩波文庫 赤 112-1)
アリストパネス 鳥 呉 茂一(翻訳)
ルーキアノス『本当の話』
ちくま文学の森 5 おかしい話貸出可
安野 光雅/編 -- 筑摩書房 -- 198804 -- 908 中央、渋谷、本町
松村一男『はじめてのギリシア神話』
ジョーゼフ・キャンベル『神話の力』
J.M.ロバーツ『図説世界の歴史 2 古代ギリシアとアジアの文明』
山川出版『宗教の世界史 1 宗教の誕生』
松村一男、平藤喜久子『神のかたち図鑑』
河合隼雄『神話と日本人の心』
杉並区立中央図書館です。
ご質問されたレファレンスについてご回答いたします。
回答日時:2021-05-07 12:00:00.0
ホルヘ・ルイス・ボルヘスがオイディプス悲劇をモデルに、現代を描いた作品について
ホルヘ・ルイス・ボルヘスの作品を調査いたしましたところ、
以下がお求めのものに近いのではないかと思われます。
・詩「オイディプスと謎語」
→『エル・オトロ、エル・ミスモ』(ホルヘ・ルイス・ボルヘス/著、水声社、2004年、961ホ)
のP.178に、「オイディプスと謎語」という詩が収録されている。
またP.278に、この詩の訳者による解説がある。
・小説「裏切り者と英雄のテーマ」
→すでにご確認されている『伝奇集』の中に、「裏切り者と英雄のテーマ」という作品があります。
革命の首領がグループの中に一人いる裏切り者を見つけるよう命じるが実は首領本人がその裏切り者であった、という物語。
また、この作品を元に脚色を加えた映画、 "STRATEGIA DEL RAGNO"
(邦題:暗殺のオペラ、1970年、監督・脚本:ベルナルド・ベルトルッチ)
が製作されいるが、こちらは「父の死」や「父の愛人が息子を誘惑する」というモチーフを持つため、より明確にオイディプス悲劇との関連性が指摘されている。
参考:「タラへの帰還『暗殺のオペラ』(1970)における分身と父親殺し」
(西村 安弘 /著、『東京工芸大学芸術学部紀要』(27)、2021年3月、P.1-11
https://ci.nii.ac.jp/naid/120007003650)
・映画 "Les Autres"
(邦題:はみだした男、1974年、脚本:ボルヘス+ビオイ=カサーレス、監督:ユーゴ・サンチャゴ)
→寺山修司「二十世紀のオイデプス」(『ボルヘスを読む』、国書刊行会、1980年、961シ)の中で言及されている。ボルヘスの脚本による映画で、書店を営む父親が蒸発した息子を探し回り、シュールレアリスティックな映像の中で父子が同一人格化していくという筋書きを持つ。
寺山は、ここからボルヘス作品における父親の象徴的イメージを考察し、ボルヘスの中にオイディプス的要素を見ている。
以上、いずれも現代を舞台にオイディプス悲劇のモチーフを直接的に登場させた作品とまでは言いが、ボルヘスは幻想文学の書き手ということもあり、あるいは影響関係がそれほど明確に読み取れるような作品にはなっていないという可能性も考えられる。
※なお、調査時には、表記ゆれも考慮して
「オイディプス」「オウィディプス」「オイデプス」などのキーワードを用いた。
さらに、オイディプス悲劇におけるモチーフであり文学批評上よく使われる概念・用語として、「エディプス(・コンプレックス)」「父(親)殺し」「近親相姦」 といった言葉でも論文などの検索を行った。